マンションの玄関がなんだか暗い、収納が足りなくて靴が散らかっている、もっとおしゃれな空間にしたい…。毎日出入りする「家の顔」だからこそ、そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。戸建てと違い、マンションの玄関リフォームには管理規約などの制約があり、どこまでできるのか、費用はどれくらいかかるのか、不安に感じることもあるでしょう。しかし、ポイントさえ押さえれば、限られた空間でも理想の玄関を実現することは十分に可能です。この記事では、マンションの玄関リフォームにかかる費用相場から、失敗しないための具体的なコツまで、専門家の視点で詳しく解説していきます。
この記事のまとめ
- マンション玄関リフォームの費用相場は5万円〜100万円以上と幅広く、収納増設や内装変更は10万円〜50万円が中心です。
- 成功の鍵は管理規約で「専有部分」と「共用部分」の範囲を把握すること。特に玄関ドアは共用部分にあたり、原則交換できません。
- 失敗を防ぐには、現状の不満点を洗い出し、マンションリフォームの実績が豊富な会社に相談することが重要です。
マンション玄関リフォームの費用相場【2026年版】
マンションの玄関リフォームにかかる費用は、どのような工事を行うかによって大きく変動します。ここでは、代表的な工事内容ごとの費用相場を解説します。ご自身の希望するリフォームがどのくらいの予算で実現できるのか、目安として参考にしてください。
これから、代表的な4つの工事内容別に費用相場を詳しく見ていきましょう。
収納の増設・交換:10万円~40万円
玄関の使い勝手を左右する収納のリフォームは、最もニーズの高い工事の一つです。
費用の目安は、既製品のシューズボックス(下駄箱)を設置する場合で10万円~20万円程度。床から天井までの壁面を活かしたトールタイプや、デザイン性の高いものを選ぶと価格が上がります。
より収納力を高めたい場合は、ウォークインタイプのシューズクロークを新設する方法もあります。この場合、壁の造作や内装工事も伴うため、費用は30万円~40万円以上が目安となります。収納したい靴の量や、ベビーカー、アウトドア用品など他のアイテムも収納するかどうかを考慮して最適なプランを選びましょう。
壁・床材の変更:5万円~30万円
玄関の印象を大きく変えたい場合に効果的なのが、壁や床の内装リフォームです。
壁紙(クロス)の張り替えは最も手軽で、費用は5万円~10万円程度が相場です。デザインや機能性(消臭、調湿など)に優れた壁紙を選ぶことで、空間の雰囲気を一新できます。
壁の一面に調湿・消臭効果のある「エコカラット」などの機能性タイルを施工するリフォームも人気で、費用は10万円~20万円程度です。高級感と機能性を両立させたい方におすすめです。
床材の変更では、既存の床に上から重ね張りするフロアタイルの施工が5万円~15万円程度。デザイン性の高いタイルや大理石調の素材を選ぶ場合は、15万円~30万円程度が目安となります。床は汚れやすく傷つきやすいため、耐久性や掃除のしやすさも考慮して素材を選ぶことが大切です。
間取り変更・土間拡張:30万円~100万円以上
より抜本的に玄関の機能性やデザイン性を高めるなら、間取り変更を伴うリフォームも選択肢になります。
例えば、隣接する部屋の一部を取り込んで玄関スペースや土間を拡張する工事です。土間を広げることで、自転車やアウトドア用品を置いたり、趣味の作業スペースとして活用したりと、ライフスタイルに合わせた多目的な空間が生まれます。
このようなリフォームは、壁の解体・造作、電気配線、内装仕上げなど大掛かりな工事となるため、費用は30万円~100万円以上かかることもあります。マンションの構造によっては壁を撤去できないケースもあるため、必ず専門家と相談しながら計画を進める必要があります。
照明・鏡・手すりの設置:5万円~15万円
空間の機能性や快適性を高める小規模なリフォームも人気です。
暗くなりがちな玄関には、人感センサー付きのダウンライトや間接照明を追加するのがおすすめです。費用は5万円~10万円程度で、明るく開放的な空間を演出できるだけでなく、夜間の帰宅時にも便利です。
また、壁に大型の鏡を設置すると、空間を広く見せる効果があり、お出かけ前の身だしなみチェックにも役立ちます。鏡の設置費用は、サイズにもよりますが5万円~15万円程度が目安です。
将来を見据えて手すりを設置するバリアフリーリフォームも重要です。壁に下地補強が必要な場合もありますが、工事費は5万円~10万円程度で行えます。
マンション玄関リフォームで実現できる理想の空間
費用をかけてリフォームすることで、玄関はどのように生まれ変わるのでしょうか。単に新しくなるだけでなく、日々の暮らしがより快適で豊かになる具体的なメリットがあります。
ここでは、リフォームによって実現できる3つのポイントを解説します。
圧倒的な収納力で、いつでもスッキリした玄関に
玄関リフォームで最も多くの方が解決したいと願うのが「収納不足」の問題です。
壁一面を使った大容量のシューズクロークを設置すれば、家族全員の靴はもちろん、傘や掃除道具、子どもの外遊びグッズまですっきりと収まります。扉付きの収納なら、生活感を隠して常に整頓された美しい空間を保つことができます。
また、オープン棚を設けてお気に入りの靴をディスプレイしたり、鍵や小物を置くためのカウンターを造作したりと、使い勝手に合わせたカスタマイズも自由自在。動線を考慮した収納計画は、外出時や帰宅時の準備をスムーズにし、日々の小さなストレスを解消してくれます。
デザイン一新で、我が家だけの「特別な顔」を演出
玄関は、住まいの第一印象を決める大切な場所です。壁紙や床材、照明計画を見直すことで、その印象を劇的に変えることができます。
例えば、壁の一面にアクセントクロスやデザインタイルを施すだけで、空間に深みと個性が生まれます。床を高級感のある大理石調のタイルに変えれば、まるでホテルのエントランスのような洗練された雰囲気に。間接照明を効果的に使えば、陰影が美しい落ち着いた空間を演出できます。
「北欧風の温かみのある玄関にしたい」「モダンでスタイリッシュな空間が好き」といった理想のイメージに合わせて素材や色を選ぶことで、我が家だけのオリジナリティあふれる「顔」をつくり上げることが可能です。
明るさ・安全性・機能性の向上で暮らしの質を高める
玄関リフォームは、見た目だけでなく暮らしの質そのものを向上させます。
窓がなく光が入りにくいマンションの玄関でも、照明計画を工夫すれば日中も明るく快適な空間になります。人感センサー付きライトは、スイッチを探す手間がなく、両手がふさがっていても自動で点灯するため非常に便利です。
また、滑りにくい床材を選んだり、段差部分に手すりを設置したりすることで、小さなお子様からご高齢の方まで、家族全員が安心して使える玄関になります。さらに、壁に調湿・消臭機能のある建材を使用すれば、靴のニオイや湿気がこもりがちな玄関の空気を快適に保つことができます。こうした細やかな配慮が、日々の暮らしの満足度を大きく左右するのです。
【最重要】マンション玄関リフォームで失敗しない5つのコツ
マンションのリフォームは戸建てと異なり、独自のルールや制約が存在します。これらを知らずに計画を進めてしまうと、思わぬトラブルにつながったり、希望通りのリフォームができなかったりする可能性があります。
ここでは、後悔しないために絶対に押さえておくべき5つの重要なコツを解説します。
コツ1. まずは「管理規約」を必ず確認する
マンションリフォームの計画を始める前に、何よりも先に行うべきなのが「管理規約」の確認です。
管理規約には、リフォームに関するルールが細かく定められています。例えば、「使用できる床材の遮音等級」「工事可能な曜日や時間帯」「リフォーム工事の申請方法」などです。これらはマンションの資産価値や他の居住者との共同生活を守るために不可欠なルールであり、必ず遵守しなければなりません。管理規約は、マンションの管理組合や管理会社に問い合わせれば入手できます。リフォーム会社に相談する際にも必要になるため、事前に準備しておきましょう。
コツ2. 「専有部分」と「共用部分」の範囲を正しく把握する
マンションは、自分自身で自由にリフォームできる「専有部分」と、居住者全員で共有する「共用部分」に分かれています。この区別を理解することが、リフォーム計画の基本となります。
一般的に、玄関の内側の壁紙や床、室内に設置された収納などは専有部分にあたり、リフォームが可能です。一方で、玄関ドア、窓サッシ、バルコニー、建物の構造に関わる壁や床(コンクリートスラブ)などは共用部分とされ、個人で勝手に変更することはできません。この境界線はマンションによって異なる場合があるため、これも管理規約で正確に確認する必要があります。
コツ3. 玄関ドアの交換は原則不可と心得る
多くの方が希望される玄関ドアの交換ですが、前述の通り、玄関ドアは外観の統一性や防火・防犯性能を保つため、マンションの「共用部分」に定められているのが一般的です。そのため、個人的にデザインや色を変更したり、断熱性の高いドアに交換したりすることは原則としてできません。
ただし、ドアの内側(専有部分側)に化粧シートを貼ったり、塗装をしたりすることは認められている場合があります。また、鍵(シリンダー)やドアスコープ、ドアクローザーといった部品の交換は可能なケースが多いです。どこまでが許可されているか、必ず管理組合に確認しましょう。
コツ4. ライフスタイルに合わせた具体的なプランを立てる
リフォームで失敗しないためには、「なぜリフォームしたいのか」「リフォームしてどう暮らしたいのか」を明確にすることが重要です。
「とにかく収納を増やしたい」というだけでなく、「ベビーカーを畳まずに置きたい」「趣味の自転車をディスプレイしたい」「帰宅後すぐにコートを掛けられる場所がほしい」など、ご自身の家族構成やライフスタイルに合わせて具体的な要望をリストアップしましょう。現状の玄関のどこに不満があるのか、どのような動線だと便利かを具体的にイメージすることで、リフォーム会社にも要望が伝わりやすくなり、より満足度の高いプランが実現します。
コツ5. マンションリフォームの実績が豊富な会社を選ぶ
マンションリフォームには、戸建てにはない専門的な知識と経験が不可欠です。管理規約の読解、構造上の制約への対応、近隣住民への配慮など、スムーズに工事を進めるためには多くのノウハウが求められます。
リフォーム会社を選ぶ際は、価格だけで判断するのではなく、マンションリフォームの実績が豊富かどうかを必ず確認しましょう。過去の施工事例を見せてもらったり、担当者の知識や提案力を確かめたりすることが大切です。信頼できるパートナーを見つけることが、リフォーム成功への一番の近道と言えるでしょう。
マンション玄関リフォームの費用実例
ここでは、実際の工事内容とそれにかかった費用を、価格帯別に3つの実例としてご紹介します。ご自身の計画に近いものを見つけて、予算を立てる際の参考にしてください。
実例1. 収納力とデザイン性を両立(費用:約45万円)
- 工事内容:既存のシューズボックスを撤去し、天井までの高さがある大容量の壁面収納を新設。壁の一面に調湿・消臭効果のあるデザインタイル(エコカラット)を施工。人感センサー付きダウンライトを増設。
- ポイント:限られたスペースを最大限に活用し、収納力を大幅にアップさせました。デザインタイルが空間のアクセントとなり、上質で清潔感のある玄関に生まれ変わっています。照明の工夫で、明るく開放的な印象も実現しました。
実例2. 土間を拡張して趣味の空間に(費用:約80万円)
- 工事内容:玄関に隣接していた収納スペースを解体し、玄関土間を拡張。床は手入れのしやすいモルタル仕上げに変更。壁には自転車を掛けるためのフックと、DIYツールを飾るための有孔ボードを設置。
- ポイント:間取りを少し変更するだけで、単なる出入りの場所から、趣味を楽しむ多目的な空間へと変貌を遂げました。汚れても掃除がしやすい床材を選んだことで、アウトドア用品のメンテナンスも気兼ねなく行えます。
実例3. 間取り変更を含む玄関のフルリノベーション(費用:約120万円)
- 工事内容:廊下の一部を取り込み、ウォークスルー型のシューズクロークを新設。玄関からシューズクロークを通り、直接室内へアクセスできる動線を確保。内装は壁・床・天井を全面的にリニューアルし、間接照明を取り入れたホテルライクなデザインに。
- ポイント:大規模な間取り変更により、生活動線が劇的に改善されました。家族用と来客用で動線を分けることができ、玄関は常にスッキリとした状態を保てます。デザイン性と機能性を最高レベルで両立させた、こだわりのリノベーション実例です。
まとめ
マンションの玄関リフォームは、費用や工事内容もさることながら、管理規約というマンション特有のルールを理解することが成功への第一歩です。収納の増設や内装の変更といった比較的手軽なリフォームから、間取り変更を伴う大規模なものまで、予算と目的に応じて様々な選択肢があります。
失敗しないためには、まず管理規約で「できること・できないこと」を正確に把握し、その上で自分たちのライフスタイルに合った具体的なリフォームプランを練ることが重要です。そして、その理想を形にするためには、マンションリフォームの経験が豊富な信頼できる専門家をパートナーに選ぶことが不可欠です。この記事で紹介した費用相場や注意点を参考に、あなただけの理想の「家の顔」づくりを始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q1. 玄関ドアは本当に交換できないのでしょうか?
A. はい、ほとんどのマンションでは玄関ドアは「共用部分」と定められているため、個人での交換は原則として認められていません。これは、マンション全体の資産価値や防火・耐震性能に関わるためです。ただし、ドアの内側に化粧シートを貼ったり、塗装したりすることは許可される場合があります。また、鍵(シリンダー)やドアクローザーなどの部品交換は可能なケースが多いです。まずはご自身のマンションの管理規約を確認し、管理組合に相談してみましょう。
Q2. 狭い玄関でも広く見せる方法はありますか?
A. はい、あります。壁や床の色を白やベージュなどの明るい膨張色で統一すると、空間が広く感じられます。また、壁に大きな鏡を設置するのも効果的です。鏡が空間を映し込むことで奥行きが生まれ、開放感を演出できます。収納は、床から天井までの壁面を有効活用するトールタイプのシューズボックスを選ぶと、縦のラインが強調されてスッキリ見えます。照明を明るくしたり、間接照明で奥行きを出したりする工夫もおすすめです。
Q3. リフォーム費用をできるだけ抑えるポイントはありますか?
A. 費用を抑えるには、工事の範囲を絞り込むことが基本です。例えば、壁紙は全面張り替えではなく一面だけアクセントクロスにする、床材は既存の床を剥がさずに上から重ね張りできる工法を選ぶ、といった工夫でコストを削減できます。また、設置する収納や建材のグレードを見直すことも有効です。複数のリフォーム会社から相見積もりを取り、工事内容と金額を比較検討することも重要なポイントです。
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