在宅ワーク&楽器OK!防音リフォームの正解(床・壁・窓・ドア)

リフォーム

結論:遮音(Sound Insulation)・吸音(Sound Absorption)・防振(Vibration Control)の3要素を空間ごとに最適配合し、音の“経路”を断つ設計が最短ルート。戸建て/マンションそれぞれの規約・構造条件に合わせ、床→壁→窓→ドア→換気の順にボトルネックを潰すと費用対効果が高まります。


こんな悩みに効く

  • リモート会議の生活音/声漏れが気になる
  • 子どものピアノ・管弦・ドラム等の練習音
  • マンション上下階の足音・生活騒音
  • 自宅スタジオ的に宅録/DTM/配信をしたい

防音の基礎:まず“音の種類”を見極める

  • 空気伝搬音:人の声・テレビ・楽器の音など、空気を伝わる音。→ 遮音+吸音で対処。
  • 固体伝搬音(固体音):足音・ドアの開閉・ドラムのキックの振動。→ 防振・浮き構造で対処。
  • 指標の目安:D値(壁の遮音性能)/L等級(床衝撃音)。在宅会議ならD-50前後、ピアノ練習室ならD-55〜60が参考。

設計の順番:床→壁→窓→ドア→換気のボトルネック潰し

防音は“最弱点に音が逃げる”性質。全面施工より弱点集中の方がコスパが良いケースが多い。

1) 床(固体音対策の要)

  • マンション:管理規約のLL-45/LL-40等級を満たす必要あり。
    • 二重床+防振ゴム:床根太を防振材で浮かせる“浮き床”。固体音を躯体に伝えにくい。
    • 直貼り防音フロア:薄い仕上げで遮音等級を狙えるが、低音のドンドン音は残りやすい。
  • 戸建て:床下にグラスウール/ロックウールを追加、合板二重+制振材で床を重く硬く。
  • ドラム/重低音浮き床+防振支持脚+厚物カーペットまでセットに。

費用レンジ(目安)

  • 直貼り防音フロア:9,000〜18,000円/㎡
  • 二重床+防振:18,000〜35,000円/㎡(下地条件で上下)

2) 壁(遮音×吸音の配合)

  • 質量則:壁は重く・厚く・多層にすると遮音が上がる。
  • 具体:石膏ボード二重貼り(12.5mm×2)+制振材隙間コーキングで気密確保。
  • 間柱間の充填ロックウール/高密度グラスウールを充填し吸音を追加。
  • 配線孔・コンセントBOXは遮音BOXまたは背面ずらしでショートサーキット(音漏れの抜け道)を防止。

費用レンジ

  • 壁片面増し張り(下地あり):7,000〜15,000円/㎡
  • 間仕切り新設+防音:40,000〜80,000円/間口m

3) 窓(最弱点No.1)

  • 内窓(二重化)が最もコスパ良。中間空気層を確保し、気密等級の高い製品を選択。
  • ガラス複層+防音合わせ(中間膜)で高音〜中低音まで広く効く。
  • サッシ:既存サッシの歪み・戸車摩耗は気密低下=音漏れに直結、調整/交換を同時施工。

費用レンジ

  • 内窓:6〜15万円/窓(サイズ・ガラス仕様で変動)
  • ガラスだけ入替:3〜10万円/枚

4) ドア(穴あきバケツを塞ぐ)

  • 室内ドアのアンダーカット(下端のスキマ)は音漏れ要因。ドアボトム+気密材で封止。
  • 防音ドアスチールor高比重ドア+磁気パッキンで周囲を密閉。スタジオ用途は窓なしが基本。
  • 扉枠回りの躯体との取り合い発泡ウレタン×気密テープでシール。

費用レンジ

  • 建具気密化:2〜6万円/枚
  • 防音ドア:20〜60万円/枚

5) 換気・給気(見落とし注意)

  • スリットやガラリは音の抜け道。消音ボックス(サイレンサー)を噛ませる。
  • 24時間換気は止めずに、ダクト内に吸音材を追加・曲り回数を抑える。
  • エアコン貫通部のスキマは気密ブッシュで塞ぐ。

用途別のおすすめ構成

在宅ワーク・配信(声中心/マンション想定)

  • :内窓+防音合わせガラス
  • :石膏二重+制振材+グラスウール充填
  • ドア:気密化(ボトム+パッキン)
  • 残響吸音パネル一次反射面(声が跳ね返る壁)に分散配置
    ⇒ 目安:50〜120万円/6〜8畳

ピアノ・弦楽器(戸建て想定)

  • :合板増し+制振材、可能なら浮き床
  • :ロックウール充填+二重石膏+制振材
  • :内窓(防音合わせ)
  • ドア:防音ドア or 既存+気密化
    ⇒ 目安:120〜250万円/6〜8畳

ドラム・低音重視(専用室)

  • 完全浮き構造(床・壁・天井を躯体から切り離す)
  • 二重ドア+前室(サウンドロック)
  • ダクトに消音ボックス+曲げ
    ⇒ 目安:250〜600万円/6〜8畳

マンションでの注意点

  • 管理規約(遮音等級、床材、工事時間、搬入経路)を事前確認。
  • PS・ダクト系の共用部は触れないルールが一般的。内側完結で設計。
  • 直貼り防音フロアで規約等級を満たしても、低周波(ドンドン)は残る可能性 → 家具レイアウト・ラグで実運用をチューニング。

失敗しないコツ(チェックリスト)

  • 騒音源の周波数帯を把握(声:500Hz前後、ピアノ:広帯域、ドラムキック:60〜120Hz)
  • 音の経路を図示(壁・床・天井・窓・ドア・換気)
  • 気密連続性(隙間ゼロ)を最優先で確保
  • 採寸・納まり図で干渉確認(コンセント/巾木/窓枠)
  • 仮住まい/工期の段取り(6〜8畳で3〜10日が目安)
  • 保証と測定:施工後に簡易騒音測定(スマホ+校正データ)で効果確認

概算費用と工期の目安(6〜8畳)

  • 在宅ワーク仕様50〜120万円/3〜6日
  • ピアノ室仕様120〜250万円/5〜10日
  • ドラム仕様250〜600万円/10〜20日
    ※ 現場条件・搬入・補修範囲で前後します。

よくある質問(FAQ)

Q. 内窓だけで十分ですか?
A. 声中心なら効果大ですが、低音や固体音には床・壁・防振を併用しないと残ります。

Q. 吸音材をたくさん貼れば静かになりますか?
A. 吸音は室内の響きを整えるのが主目的。遮音(漏れ防止)には質量・気密・二重化が必要です。

Q. 換気口を塞いでいいですか?
A. NG。代わりに消音ボックスで音だけを減衰させ、24時間換気は維持します。

Q. DIYでもできますか?
A. 小規模な気密化(パッキン/隙間シール)は可。ただし浮き構造や配線移設はプロに依頼を。


まずは無料診断から(最短即日)

  1. 騒音ヒアリング&簡易測定(スマホアプリ+校正値)
  2. 経路特定(床/壁/窓/ドア/換気の漏れ評価)
  3. 2案比較の概算見積(弱点集中型 vs 全面施工)

“静けさ”は設計でつくる。 ご住所(市区まで)・構造(木造/RC/S造)・間取り図・目的(会議/楽器/配信)をお知らせください。最適プランをご提案します。

タイトルとURLをコピーしました