光熱費と健康を同時に守る!「24時間換気リフォーム」の最新事情

リフォーム

結論:24時間換気の見直し(新設・更新・設定最適化・気密断熱との同時改修)は、光熱費の無駄を抑えながら室内空気質(IAQ)を改善し、カビ・結露・花粉・PM2.5・CO2過多による集中力低下などを予防します。とくに築10年以上・機器更新未実施の住宅は、“省エネ×健康”の費用対効果が高い改修です。



1. 24時間換気とは?――基礎知識と誤解

  • 目的:汚染空気(CO2、VOC、湿気、匂い、微小粒子)を計画的に排出・清浄化し、健康リスクと結露/カビを抑制。
  • 誤解①:「電気代がもったいない」→ 実際は弱運転の連続稼働が最も効率的。止める/強弱を頻繁に切替える方が、湿気や臭気の再発・強運転による消費増につながります。
  • 誤解②:「窓を開ければOK」→ 花粉・PM2.5の季節や、外気温差が大きい時期は機械換気+適切なフィルターが有利。

2. 方式の違い(第一種・第二種・第三種)と向き・不向き

第一種(給排気とも機械)

  • 特徴:熱交換器で排気の熱(冬の暖気/夏の冷気)を回収 → 冷暖房ロスを低減。
  • 向き:高気密高断熱の戸建て/新しい共同住宅。省エネ・快適性重視
  • 留意:初期費用↑、ダクト清掃/フィルター管理が重要。

第二種(給気のみ機械、排気は自然)

  • 特徴:室内を正圧にし、外からの粉塵流入を抑える。主にクリーン用途
  • 向き:一般住宅ではまれ。医療/クリーンルーム寄り。

第三種(排気のみ機械、給気は自然)

  • 特徴:シンプルで導入費用が低い。既存住宅の更新で一般的
  • 向き:既存マンション/戸建ての低コスト改善
  • 留意:外気温の影響を受けやすい → 断熱・気密との合わせ技が鍵。

3. リフォームの主なパターン(戸建て/マンション)

戸建て

  • 熱交換型第一種へ更新:屋根裏/天井内に本体+ダクト新設、各室に給気/排気端末。冬の乾燥/結露抑制に寄与。
  • 第三種の最適化:各水回り(トイレ・浴室・洗面)排気の風量バランス再設計給気口位置/数の見直し、CO2連動追加。
  • 居室個別のロスナイ(壁貫通型熱交換):ダクト不要で1室単位の改善。

マンション

  • 専有部更新:浴室暖房乾燥機・トイレ換気扇の連動化逆流防止ダンパ見直し、廊下天井内のダクト清掃
  • 共用設備との整合:機械室・パイプスペースの構成に応じて管理規約・理事会承認が必要な場合あり。

4. 費用相場と回収シミュレーション

参考レンジ(規模・仕様・既存状況で変動)

  • 壁貫通1室用熱交換換気:8〜20万円/室
  • 戸建て・第一種熱交換(ダクト方式):80〜200万円
  • 既存第三種の最適化(機器更新+給気口更新):20〜80万円
  • マンション専有・換気扇更新(連動/センサー化含む):10〜40万円

回収イメージ(例)

  • 第一種熱交換で冷暖房ロス10〜25%低減と仮定、世帯の年間冷暖房費20万円 → 2〜5万円/年の削減。健康・清掃・結露補修費の間接コスト回避も含めると、5〜10年で十分にペイするケースが多い。

5. 断熱・気密と同時にやるべき理由

  • 換気は“空気の通り道”の設計。隙間風(無計画な漏気)が多いと計画換気が成立しない
  • 断熱改修(窓の性能向上・天井/床/壁の断熱)と同時に行うと、
    • 必要換気量を少ない風量で安定確保
    • 熱損失が小さい=光熱費が下がる
    • 結露リスクの根本対策(表面温度上昇)

6. フィルターとダクトのメンテナンス頻度

  • 給気フィルター:花粉期は1〜2か月毎に点検・清掃、通常は3か月毎。年1回は交換推奨。
  • 熱交換素子:年1回の清掃(機種により水洗い可否が異なる)。
  • ダクト:5〜10年ごとに点検・清掃。ホコリ堆積は風量低下・騒音増の原因。
  • 排気グリル:3か月に一度の拭き取りで圧損悪化を防止。

7. こんな症状は要注意(チェックリスト)

  • 朝起きると頭が重い/喉が痛い、在宅ワークで眠気・集中力低下
  • 窓枠やクローゼットの黒カビ/結露、浴室のピンク汚れが再発
  • ペットや料理の臭いが残りやすい
  • 換気扇がうるさい/風量が弱い/逆流感がある
  • CO2センサーが1,500ppm超を頻発(目安:1,000ppm以下が快適)

→ 1つでも当てはまれば、風量計測と経路点検を推奨。


8. 補助金・減税の考え方(2025年時点の把握ポイント)

  • 熱交換型第一種+高断熱窓・断熱改修など省エネ性能の底上げとセットにすると、自治体の省エネリフォーム支援の対象になるケースが多い。
  • 申請は着工前が原則。見積・仕様書・図面・製品性能証明の準備が鍵。
  • 制度は毎年度の公募要領で細目が更新されるため、最新の国/自治体サイト施工会社の申請支援実績を必ず確認。

9. 失敗しない事業者選定チェック項目

  • 現地調査でCO2/温湿度/差圧/風量を実測してくれる
  • 熱交換効率・消費電力・騒音機種比較を提示
  • ダクトレイアウト図端末位置の提案(短い経路・曲がり少なめ)
  • 気密・断熱改修との同時提案(窓・玄関・天井/床の要否判断)
  • 引渡し時に風量測定結果(バランス表)とメンテ手順書を納品
  • 補助金の要件整理〜申請支援の経験がある

10. よくある質問(FAQ)

Q. 電気代はどのくらい増えますか?
A. 熱交換型なら消費電力は数十W級が一般的。第一種導入で冷暖房ロスが減り、年間トータルの光熱費は横ばい〜削減になる事例が多いです。

Q. 止めてもいい季節はありますか?
A. 原則止めずに弱運転連続。止めると湿気・臭気・粉塵が溜まり、再立上げで強運転が必要になるため非効率です。

Q. マンションで個別に入れ替えても大丈夫?
A. 専有部は可能でも、共用設備との整合・逆流防止の確認が必須。管理規約や理事会承認が必要な場合があります。

Q. 花粉やPM2.5はどの程度カットできますか?
A. 高性能フィルター(例:ePM1相当)なら微小粒子の捕集率が高く、室内流入を大幅低減。機種とフィルター等級の選定が重要です。


まずは無料点検・簡易診断から

  • 室内CO2/温湿度のスポット計測
  • 換気扇・給気口・ダクトの目視点検
  • 風量の簡易測定と運転設定最適化(強/弱・24h設定)

省エネと健康は“空気の設計”から。 断熱・気密・換気をワンセットで最適化し、快適な住環境と家計にやさしい暮らしを実現しましょう。


お問い合わせ・現地調査のご依頼

  • ご住所(市区まで)/築年数/リフォーム履歴(あれば)
  • 現在の症状(結露・臭い・アレルギー等)
  • 図面・間取りの有無

上記をお知らせいただければ、最適プランと概算費用をご案内します。

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