ベランダ防水の「ふくれ」は要注意!ウレタン塗装の密着不良の原因と対策

リフォーム

ベランダ(バルコニー)の床に、ぷくっと膨らんだ部分が出てきた——それは防水層の「ふくれ」かもしれません。
結論から言うと、ふくれ=防水層が下地から浮いているサインです。放置すると剥がれが広がり、最終的に漏水リスクにつながることがあります。

特にウレタン塗膜防水は、下地にきちんと密着して性能を発揮する工法が多いため、密着不良が起きると寿命が一気に縮みやすい点に注意が必要です。公共工事の標準仕様でも、ウレタン塗膜防水は「密着工法」と「通気緩衝(絶縁)工法」に分けて工程が定義され、下地の乾燥や清掃、塗り回数・塗布量など品質に直結する条件が細かく整理されています。


  1. 1. 「ふくれ」とは何か?まず押さえるべき危険度
    1. 1-1. ふくれは「防水層の下に圧力が溜まった状態」
    2. 1-2. 放置が危ない理由は「剥がれ拡大」と「漏水の入口化」
    3. 1-3. 応急判断の目安は「範囲」と「踏んだ感触」
  2. 2. ウレタン塗装の「密着不良」が起きる主な原因
    1. 2-1. 下地に水分が残っている(乾燥不足・雨・結露)
    2. 2-2. 下地処理不足(汚れ・粉じん・脆弱層・旧塗膜の不安定)
    3. 2-3. プライマーの選定ミス/塗りムラ/塗布量不足
    4. 2-4. 厚塗り・一度に塗りすぎ(硬化不良・溶剤閉じ込め)
    5. 2-5. 工法選択ミス(本来は通気緩衝が必要なのに密着で施工)
  3. 3. 状態別:ふくれの対策と補修の考え方
    1. 3-1. まず原因を“湿気系”と“施工系”に切り分ける
    2. 3-2. 小規模なら「開口→乾燥→部分補修」で止まることもある
    3. 3-3. 面で浮くなら「通気緩衝(絶縁)工法」への切替が安全側
  4. 4. 再発を防ぐための“施主チェック”5項目(見積前に聞く)
  5. 5. 「無料点検」「今すぐ工事」——不安を煽る提案には要注意
  6. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. ふくれが1〜2個だけ。すぐ直すべき?
    2. Q2. 密着工法と通気緩衝工法、どっちが正解?
    3. Q3. 上からもう一度ウレタンを塗れば直る?
    4. Q4. 施工不良か経年劣化か、見分け方は?
    5. Q5. 見積で必ず確認すべき項目は?
    6. Q6. 「無料点検で今すぐ工事」と言われて不安です
    7. 関連

1. 「ふくれ」とは何か?まず押さえるべき危険度

ここからは、ふくれの正体と危険度を3つのポイントで整理します。
先に全体像を言うと、ふくれは「たまたまの見た目」ではなく、防水層の内部で異常が起きている合図です。

1-1. ふくれは「防水層の下に圧力が溜まった状態」

結論:ふくれは、防水層の下側に“空気・水蒸気・水分”が入り込み、押し上げられて膨らんだ状態です。
根拠:密着しているはずの防水層が浮くには、層の下に何らかの“押す力”が必要だからです。
証拠:防水の施工指針でも、通気緩衝(湿気を逃がす仕組み)は「ふくれの発生を抑える目的」で採用される、と整理されています。
具体:雨のあとに膨らみが目立つ、夏場に急に増える、踏むとブヨブヨする——このあたりは典型的な挙動です。

1-2. 放置が危ない理由は「剥がれ拡大」と「漏水の入口化」

結論:ふくれは小さくても、放置すると剥がれが広がり、漏水の起点になりやすいです。
根拠:ふくれ部分は防水層が下地と連続していないため、荷重・温度変化・紫外線で損傷が進みやすいからです。
証拠:公共仕様でも、所定の塗膜厚を確保するための“塗り回数”や“工程あたりの塗布量”が細かく定められています。つまり、厚塗りや不適切な施工が不具合要因になり得る前提で品質管理が設計されています。
具体:ふくれ → 亀裂 → 水が入る → 下地がさらに湿る → 新たなふくれ…という悪循環が起きます。

1-3. 応急判断の目安は「範囲」と「踏んだ感触」

結論:点在する小ふくれか、面で広がるふくれかで“対策の打ち手”が変わるため、まず範囲を見ます。
根拠:局所不良なら部分補修で止まる場合がある一方、面で浮いていると再発しやすいからです。
証拠:公共仕様には工法として「通気緩衝(絶縁)工法」と「密着工法」があり、状況に応じて工法を選ぶ前提で工程が整理されています。
具体:

  • 指一本サイズが点在:部分補修で済む可能性
  • 50cm以上が面でブヨブヨ:下地側の湿気・層間不良が疑わしく、工法見直し(通気緩衝など)検討寄り

2. ウレタン塗装の「密着不良」が起きる主な原因

ここからは、密着不良につながる原因を5つに分けて解説します。
実際の現場では、ひとつではなく複数が重なって発生することも珍しくありません。

2-1. 下地に水分が残っている(乾燥不足・雨・結露)

結論:最頻出は“下地の水分残り”で、これが水蒸気圧となってふくれを作ります。
根拠:水分は温度上昇で膨張し、蒸気になって逃げ場を探すためです。
証拠:施工指針でも、湿気を伴う圧力を分散するために通気緩衝の考え方が用いられ、ふくれ低減に寄与する、と整理されています。
具体:雨上がり翌日に施工、夜露が残る早朝施工、既存層の下に水が回っている…は要注意です。

2-2. 下地処理不足(汚れ・粉じん・脆弱層・旧塗膜の不安定)

結論:清掃不足や脆弱部の残りは、密着不良を“局所から全体へ”広げます。
根拠:密着は化学的な接着だけでなく、表面状態(粗さ・清潔さ)に強く依存するからです。
証拠:公共仕様でも、下地が十分乾燥した後に清掃を行い、プライマーをむらなく塗布するなど、工程条件が明確に示されています。
具体:チョーキング粉、コケ・油分、脆いモルタル、浮いた旧塗膜の上に重ね塗りすると、下から“はがれる土台”になります。

2-3. プライマーの選定ミス/塗りムラ/塗布量不足

結論:下地に合わないプライマーや塗りムラは、密着不良の直撃要因です。
根拠:プライマーは“接着の橋渡し”で、下地の吸い込み・材質差を均一化する役目があるからです。
証拠:公共仕様では、プライマーなどの材料は主材料メーカーの指定品を用いる前提で工程が規定され、材料選定と工程管理が品質に直結する考え方が示されています。
具体:コンクリート/モルタル/既存FRP/既存ウレタンなどで推奨が変わります。「何の下地に、何のプライマーを、どの工程で使うか」を説明できる業者が安心です。

2-4. 厚塗り・一度に塗りすぎ(硬化不良・溶剤閉じ込め)

結論:一気に厚く塗るほど、内部が乾き切らず、ふくれ・膨れの温床になります。
根拠:塗膜は表面から硬化しやすく、内部に溶剤や反応ガスが残ると逃げ場がないからです。
証拠:公共仕様でも、塗膜防水材は複数回に分割して塗り重ねることや、工程あたりの塗布量に上限があるなど、厚塗りを避ける設計になっています。
具体:「工期短縮のために厚塗り → 後でふくれる」は典型です。工程と乾燥時間を削らないことが最重要です。

2-5. 工法選択ミス(本来は通気緩衝が必要なのに密着で施工)

結論:下地の湿気が疑われる条件で密着工法を選ぶと、ふくれ再発の確率が上がります。
根拠:密着工法は水蒸気の“逃げ道”を作りにくい一方、通気緩衝は圧力を分散・排出する設計だからです。
証拠:公共仕様でも、通気緩衝(絶縁)工法の工程には通気層や脱気の考え方が含まれ、下地条件に応じた選定が前提になっています。
具体:築年数が経ち、既存層の履歴が不明/雨染みがある/すでにふくれが出ている——この場合は、通気緩衝の検討が合理的です。


3. 状態別:ふくれの対策と補修の考え方

ここからは、失敗しにくい対策の組み立て方を3ステップで示します。
結論は、「原因を外した補修は再発しやすい」という一点に集約されます。

3-1. まず原因を“湿気系”と“施工系”に切り分ける

結論:ふくれ対策は「水分が供給され続けるか」で方針が決まるため、切り分けが先です。
根拠:施工ミスだけなら是正で収束する一方、下地が湿っていると再発するからです。
証拠:施工指針でも、湿気圧を分散する考え方がふくれ低減に寄与することが整理されています。
具体:雨の翌日にふくれが増える/冬に縮んで夏に膨らむ → 湿気系が濃厚です。

3-2. 小規模なら「開口→乾燥→部分補修」で止まることもある

結論:点在・小規模のふくれは、適切な部分補修で抑えられる場合があります。
根拠:不良が局所で、周辺が健全なら“原因の芽”を摘めるからです。
証拠:公共仕様が示すように、防水層は工程管理と所定膜厚の確保が重要で、補修でも同様に「乾燥」「適切な材料」「手順」が鍵になります。
具体:
ふくれ部を切開 → 内部を乾燥 → 下地調整 → プライマー → ウレタンを所定工程で復旧 → トップコート、が基本線です。
※DIYは難易度が高く、原因を外すと再発しやすいので、基本は専門業者に相談するのが安全です。

3-3. 面で浮くなら「通気緩衝(絶縁)工法」への切替が安全側

結論:広範囲にふくれがある場合、密着で“上から塗り直すだけ”は再発リスクが高いです。
根拠:下地側の湿気圧や層間不良が残ると、同じメカニズムでまた膨らむからです。
証拠:公共仕様でも、通気緩衝(絶縁)工法は湿気対策の考え方を含む工程として整理されています。
具体:見積の場で、「どの工法で、なぜそれが必要か」を説明できるかが、業者選定の分かれ目になります。


4. 再発を防ぐための“施主チェック”5項目(見積前に聞く)

結論:ふくれの再発は、現場の管理と説明の質でかなり防げます。
根拠:工程省略・材料不適合・乾燥不足は、事前質問で炙り出しやすいからです。
証拠:公共仕様には、下地乾燥後の清掃、塗りの分割、工程あたり塗布量の考え方など、品質を担保する条件が明確に整理されています。
具体:見積前にこの5つだけ質問してください。

  1. 下地の水分(含水)の確認はどうしますか?(雨上がり・湿気が強い時期の運用)
  2. 工法は密着ですか?通気緩衝ですか?理由は?(ふくれが出ている場合は特に重要)
  3. 下地処理はどこまで行いますか?(脆弱部撤去/清掃/旧塗膜の扱い)
  4. プライマーは何を使いますか?(材料名と選定理由)
  5. 塗り回数・塗布量・乾燥時間は?(“厚塗り一発”になっていないか)

この質問に、工程と根拠で即答できる会社は、現場品質も安定しやすいです。


5. 「無料点検」「今すぐ工事」——不安を煽る提案には要注意

結論:ふくれは確かに要注意ですが、“恐怖で即決させる”業者は別リスクです。
根拠:防水は見た目だけで断定しにくく、診断と工法選定に専門性が要るため、急がせるほど説明が薄くなりやすいからです。
証拠:消費者向けの公的な注意喚起でも、無料点検を入口に高額契約へ誘導する手口があることが示されています。
具体:「今すぐ全面やり直し」「今日だけ割引」は一旦保留し、相見積もりと工程説明の比較が安全です。


よくある質問(FAQ)

Q1. ふくれが1〜2個だけ。すぐ直すべき?

A. 小さくても“増えるタイプ”があるので、まず写真で記録し、1〜2週間で増減を確認してください。
増えるようなら早めに相談するのがおすすめです。ふくれは湿気系が原因だと拡大しやすい傾向があります。

Q2. 密着工法と通気緩衝工法、どっちが正解?

A. 下地に湿気リスクがあるなら通気緩衝(絶縁)寄り、健全で乾燥が確実なら密着でも成立、が基本です。
状態により最適解が変わるため、「なぜその工法か」を説明できるかが重要です。

Q3. 上からもう一度ウレタンを塗れば直る?

A. 原因が下地の水分や層間不良の場合、“上塗りだけ”は再発しやすいです。
原因切り分け(湿気系/施工系)をして、必要なら工法も見直すのが安全です。

Q4. 施工不良か経年劣化か、見分け方は?

A. 施工直後〜数年で出る大きなふくれは施工・下地条件の影響が濃く、10年以上で全体劣化なら経年の可能性が上がります。
ただし断定は難しいので、工程・材料・下地状態の説明がセットで出せる業者に診断してもらいましょう。

Q5. 見積で必ず確認すべき項目は?

A. 工法(密着or通気緩衝)、下地処理範囲、プライマー種、塗り回数と乾燥時間、トップコート仕様の5点です。
この5点が曖昧な見積は、後からトラブルになりやすい傾向があります。

Q6. 「無料点検で今すぐ工事」と言われて不安です

A. その場で契約せず、写真・見積を持ち帰って相見積もりを取りましょう。
必要なら消費生活の相談窓口など第三者に相談するのも有効です。

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