築30年の家を“寒さゼロ”にする断熱リフォーム5つの鉄則コンテンツへとスキップする


築30年前後の住宅は、窓は単板ガラス、壁断熱材は50 mm以下というケースが大半です。1999年以前は省エネ基準が実質“努力義務”だったため、現行等級5(ZEH水準)と比べて熱損失が2〜3倍になることも珍しくありません。冬の暖房費が高止まりする今こそ、部分ごとの優先順位を見極めた断熱改修がコスパを大きく左右します。


鉄則① まずは“窓”を制する——熱損失の50%を一気に削減

古いサッシ+単板ガラスのままでは、家全体の熱の約半分が窓から逃げる (daitojyutaku.co.jp)

  • 対策メニュー
    • 枠ごと交換(樹脂サッシ+Low‑Eトリプル):70 万〜120 万円/戸建
    • 内窓追加:1 カ所2 万〜6 万円で施工可、工期1日
  • 補助金 先進的窓リノベ2025で開口部1戸あたり最大200 万円まで補助 (window-renovation2025.env.go.jp)
  • 効果 UA値※が0.8→0.55 W/m²Kに改善した事例で、暖房負荷を約30 %削減。
    ※外皮平均熱貫流率

鉄則② 天井&床から着手——コスパ最短の“面”断熱

  • 天井断熱(グラスウール200 mm吹込み):15 万〜40 万円/100 ㎡
  • 床下断熱(ポリスチレンフォーム敷き込み):20〜30 万円/20坪 (reform-guide.jp)
  • ROI 施工費の回収目安は5〜7年。天井は作業が容易で、冬の上昇気流ロスを即座に抑制できます。

鉄則③ 壁+気流止めで“隙間風”を根絶

築古住宅は胴縁や筋交い周辺に気流の通り道(気流経路)が残っていることが多く、せっかくの断熱材が効果半減します。

  1. 既存外壁を剥がさず、外張り付加断熱(50 mm硬質ウレタン)
  2. 同時に気流止めシートで柱脚・梁周りを連続気密化
  3. 換気扇・配管貫通部は発泡ウレタンで気密処理

これにより相当隙間面積 C値が 9 → 2 cm²/m²へ改善したデータも。(mlit.go.jp)


鉄則④ ヒートブリッジ(熱橋)を遮断——結露・カビを未然に防ぐ

コンクリート基礎や金物を通じて熱が逃げる“点”のロスは、室温差が大きい冬ほど結露を呼びます。対策は次のとおり。

  • 基礎立ち上がり外周に押出法ポリスチレンフォーム50 mmを貼付
  • バルコニー金物に絶縁ブレイクプレートを追加
  • サッシ取り合いには熱伝導率0.020以下の樹脂スペーサー

これだけで壁内結露リスクが大幅低減し、カビ・ダニ対策にも直結します。(okamura-home.co.jp)


鉄則⑤ 補助金とフェーズ工事で“家計負担ゼロ圏”を狙う

区分主な工事補助上限
先進的窓リノベ2025窓交換・内窓設置200 万円
子育てグリーン住宅(改修)断熱材・高効率給湯60 万円
自治体上乗せ(例:札幌市スマエネ)天井・床断熱40 万円
  • 戦略:①窓交換+②天井・床断熱を同年度に申請し、翌年度に③壁付加断熱を実施すると、上限をフルに活かしやすい。
  • 実質負担例 総工費380 万円−国補助200 万円−自治体40 万円=140 万円で全面断熱化が可能。

まとめ

  • 築30年住宅の寒さは窓と気流が主因。まず開口部を樹脂トリプル or 内窓で強化。
  • 天井・床→壁→熱橋の順に“面”と“点”を塞げば、暖房エネルギーを最大50 %削減
  • 先進的窓リノベ2025など各種補助金を組み合わせれば、300 万円超の改修でも自己負担150 万円前後に圧縮できる。
  • 断熱等級5相当まで底上げすれば、光熱費と健康リスクの両面で“寒さゼロ”の家が実現します。

タイトルとURLをコピーしました